重症心身障害児とは、身体障害や知的障害などを持つ児童のことだ。
多重障害を持つ児童は免疫機能が低下しているため疾病に感染しやすく、てんかんや喘息などの発作を伴うことも珍しくない。
また、食物や化学物質のアレルギーを抱える児童も多く、重症心身障害児を取り巻く環境には細心の注意を払わなければならない。
こうした重症心身障害児には医療従事者のケアが必要不可欠だ。
そして重症心身障害児への生活サポートを行うのが、重症心身障害児施設だ。
重症心身障害児施設では、児童への医療サポートの面で看護師が中心的役割を果たすことになる。
誤嚥など万一児童が致命的な損害を被るような重大な事故が生じた場合、担当の看護師が賠償責任を負うこともある。
また、看護師は児童の食事や排泄など生活訓練に関する療育にも協力し、多角的な支援を行うことが求められる。
また、看護師は児童の保護者の支援においても重要な役割を担う。
幼い重症心身障害児を抱える若い保護者は我が子が負ったハンディにショックを受けており、児童の成長に伴い今度は親が高齢化した際の児童の将来を案ずるようにもなる。
看護師は、このような保護者に対するメンタルケアも欠かさず行う必要がある。
医療ケアを必要とする児童の保護者が最も頼りにするのは、医療の専門家である看護師や医師になるのは必然的と言える。
看護師は保護者とコミュニケーションを図り、積極的に相談に乗って保護者の不安を和らげるために尽力しなければならない。